ヴェネツィア国際映画祭で、金の獅子賞を受賞した『ジョーカー』
格差社会の下層階級の人間が社会からはじかれて、悪に身をやつしていくというストーリーは、
現代のリアルな社会そのものです。
“ゴッサム・シティ”を舞台としていても、世界中にある都市や社会の問題を現していて、とりわけ
もろ、ニューヨークといった感じでした。
アメリカでは、ピエロのマスクを付けて行かないようにとか、銃乱射事件を助長するのではと、問題視された
『ジョーカー』――アメリカだったら、あり得るかも…とも思いました。
そのため、本作は
従来の『バットマン』シリーズの「ジョーカー」とは違うという認識で見た方がいいと思います。
もしくは、見比べてみるのも「アリ」かもしれません。
目次
『ジョーカーJOKER』ネタバレ・あらすじ
市の衛生局がストライキをしていることで、街中はゴミ駄目になり、腐臭が漂っていた。
格差社会が拡大し、下層階級の人々の不満は今にも爆発寸前だった。
貧窮者のアーサー(ホアキン・フェニックス)は、
母親ペニー(フランセス・コンロイ)と二人暮らしで、道化師の仕事をして家庭を支えていた。
彼には脳の損傷のため、緊張すると“笑い”の発作が起こるという病気を患っていた。
ピエロの仕事をしている時に、ストリートギャングの少年たちに、袋叩きにされるアーサー。
同じピエロの仕事をしている同僚のランドルに、「これで身を守れ」と銃を渡される。
しかし、小児病棟で仕事をしている時に、銃を落としてしまい、そのことでクビになってしまう。
ピエロの恰好のままアーサーが、地下鉄に乗っていると、3人のビジネスマンたちが女性に嫌がらせをしている。
アーサーは、例の笑いの発作が治まらなくなり、ビジネスマンたちは彼に因縁をつけ、殴る蹴るの暴行を働く。
アーサーは、発作的に彼らを撃ち殺してしまう!
アーサーは、同じアパートのシングルマザー、ソフィー(ザジー・ビーツ)と恋仲になり、
彼女を自分が、スタンドアップコメディアンとして出演するナイトクラブに、見に来るように誘う。
その舞台で、お客は誰も彼のネタを笑わなかった。
しかし、その滑りっぷりにテレビのバラエティ番組の司会者、マレー・フランクリン(ロバート・デ・ニーロ)が取り上げ、話題となる。
そのため、アーサーは、マレーの番組から出演依頼を受ける。
一方、アーサーの母親ペニーは、
30年前ゴッサムの富豪のトーマス・ウェイン(ブレット・カイン)の屋敷の使用人だったことで、
ウェインと恋仲になり、アーサーはウェインの息子だという。
そのことが気になって、アーサーは調べるが、
自分は養子であり、母親とも血縁関係がなく、母親の交際相手に虐待され、脳に損傷を負わされたのだ。
それを知ったアーサーは、母親を枕で窒息死させる。
街では下層階級の人々が、ビジネスマンを射殺したピエロを英雄視し、
自分たちもそれぞれピエロのマスクを付け、富裕層を責めるデモを起こしていた。
マレーの番組に出演するアーサーは、ピエロのメイクと衣装に身を固めて楽屋にいた。
そしてマレーに
「僕のことは、ジョーカー(冗談屋)と紹介してくれ」と注文を付けた。
バラエティー番組が始まると、「ジョーカー」は、
「3人のビジネスマンを殺った」事を、カメラの前で堂々と言い放った。
そしてそれを咎めるマレーに向けて、アーサーの銃口が火を噴いた‼
スタジオはたちまち騒然となった。
パトカーで護送されるアーサーは、暴動で荒れる街を見て
「美しい光景だ」と笑っていた――。
アーサーを乗せたパトカーが事故に遭うが、アーサーは暴徒たちに救出される。
燃え上がるゴッサム・シティ、暴徒たちの中心には「悪のカリスマ」として、アーサーがいた――‼
監督・キャスト
アーサー(ホアキン・フェニックス)母親・ペニー(フランセス・コンロイ)ソフィー(ザジー・ビーツ)
マレー・フランクリン(ロバート・デ・ニーロ)トーマス・ウェイン(ブレット・カレン)
監督/共同脚本/制作(トッド・フィリップス)
ベネチア国際映画祭 金の獅子賞受賞作
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(※2019/10月15日現在)
『ジョーカー』ネタバレ・感想
アーサーの不遇
とにかく、アーサーの“笑い”が痛々しい…。(;へ:)
アーサーの不遇に同情したり、共感する人は多いと思います。
斯く言う、私めも、
冒頭のストリートギャングにからかわれて、ボコボコにされるアーサーを見て、
胸クソが悪くなってしまった!ヽ(∴`┏Д┓´)ノ彡☆コラーッ!
アーサーは脳の損傷で、笑ってしまう病気を患っています。
そのせいで、突発的におかしくもないのに笑ってしまったう、
人にからかわれたり、気味悪がれ、それが起因して殺人を犯してしまう。
殺人については言語道断ですが、やっぱり、アーサーには同情してしまう…。(´_`。)
アーサーの生い立ち
アーサーの“笑い”の病気は、子供の時の虐待のせいです。
初め、アーサーの妄想癖は、母親からの遺伝の遺伝かと思ったけれど、
アーサーはどうやら養子らしかったので、それは違ったみたいでした。
母親ペニーがアーサーを養子にしたのは、ウェインへの当てつけ、妄想のせいだったのか…?(゚_。)?
殺人を犯すことに躊躇しなくなるアーサー
初めの殺人こそ、躊躇している様子があったけど、銃をくれた(?)同僚を殺した時には、殺意がみなぎってました!
ハサミで頸動脈をブスってして――‼…ギャー‼コワッ‼(R15)ヒィィ((ll゚゚Д゚゚ll))ィィ!!!
一緒にいた小人症の人が可愛そうで…、しかも、背が低いから、ドアの鍵を開けられないって…更に可愛そうで…。Σ(T□T)
意外と、アーサーより、この人に同情したかも…。(-_-)ウーム
ラスト
かつて母親が収監されていたような、精神を病んで犯罪を犯した犯罪者の入る刑務所(?)で、
カウンセリングを受けるアーサーが、“笑い”の発作を起こしてそれに対して
「何がおかしいの?」と聞くカウンセラーの女性に
「ジョークのネタを思いついた」と言って、
それを聞きたがったカウンセラーに
「どうせ理解できない」と答えたアーサー。
そして、廊下を歩くアーサーの足跡は、血の足跡でした。
それを物語るものは、この先、
アーサーがジョーカーとして、手を血で染めていくことだろうと、暗示しているのか――と、思いました。
「どうせ、理解できない」と答えたことも、「どうせ、自分は理解されない」と自信を結論付けて、
人との関わりをあきらめてしまったように感じられ、淋しく思いました…。(;-_-) =3 フゥ
アーサーの妄想がどこまで現実・リアルなものなのか――?
街の暴動は本当にあったのか?
あの革命のような反乱で、アーサーは“ジョーカー”として、下層階級の革命の寵児、象徴に本当になったのか?
それともただの、シリアルサイコパス、殺人犯の、妄想だったのか――⁇
疑問がいっぱい残る『ジョーカー』でした。
「アーサー/ジョーカー」役のホアキン・フェニックスの演技が見事で、
病気による“笑い”が痛々しくて、泣き笑いのような感じでした。
母親ペニーが、「あの子は泣いたことがない」と言っていましたが、
アーサーにとって、“笑う”ことは、彼にとって、泣くことと同義だったのかもしれません。
人間て、どうすることもできない時って、笑ってしまうというか、そういう表情になってしまう時があります。
特に、日本人はそうだと思います…。
まとめ
本作『ジョーカー』と今までの『バットマン』シリーズは別物との話ですが、
『バットマン』シリーズをちゃんと見ていなかったもので、
【如何に「ジョーカー」は、「悪のカリスマ」へと変貌したか?】という、観点から、本作品『ジョーカー』を見ませんでした。
それよりも、「一人の人間が、どういう事がきっかけで、悪への道を辿ってしまうのか?」という見方をしました。
『ジョーカー』を見てから、『バットマン』を見直すと、また違った見方ができるかもしれません。
しかし、ピエロと言えば「道化」でしたが、『IT』といい、
今やピエロは「悪」やホラー」の象徴になっているんでしょうかねぇ…。(゚-゚;)ウーン
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